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『Kind of Blue』 Miles Davis


Kind of Blue

1. So What
2. Freddie Freeloader
3. Blue In Green
4. All Blues
5. Flamenco Sketches

Miles Davis (tp)
John Coltrane (ts)
Julian Cannonball Adderley (as)
Bill Evans (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)
.2のみWynton Kelly (p)

録音:1959年3月2日、4月22日
レーベル:Columbia

メモ


歴史上の大傑作といわれる一枚。

とはいっても、この作品が「モード・ジャズの完成形」だとは全く思いません。むしろ実験作。
2種のモードだけでできている「So What」や、気の済むまで一つのモードでアドリブし、合図で別のモードにチェンジを繰り返している「Flamenco Sketches」。

Milesの性格上、それらの曲をじっくり練習する時間は各プレイヤーに与えられなかったと思います。
だから、奏者によっては「今までのジャズのアドリブと全然変わってないじゃん」という箇所も多いといえば多い。
とはいえ、今までとは違うアプローチを目指していたことは間違いない感じはします。
原型がオーソドックスなブルース進行である「Freddie Freeloader」や「All Blues」のような曲も、あまりジャズ・ブルースらしくない音選びをしている部分があったり。
このアルバムの前後からやんわりとアドリブの「脱ビ・バップ イディオム」化が進んでいくイメージ。

なんとライナーノーツをBill Evansが書いています。びっくり。これはMilesがお願いしたもの。
そしてさらに驚くことは、その内容が「日本の絵画とジャズの即興演奏」についての文であること。必読。

初心者には?


私は、一番最初にきちんと購入したジャズのCDがこれでした。
今になってみれば、買って間違いのなかったアルバムだと思いますが、はじめからその良さがばっちり理解できたわけではありません。
1曲めの「So What」からして、どこまでがイントロ?どこまでがテーマ?っていう状態でした。

ジャズへの理解が深まるに連れて、このアルバムの面白さも分かっていったことは良い体験だったと思いますが、やはり初心者には少し難しいのかも。

Pick up!!


2. Freddie Freeloader
一般的なブルース進行からちょっとだけコードをいじってある変則ブルース曲。

ピアノを弾いているのはEvansではなくWynton Kelly。
ごく個人的にはこういう演奏はあまり好きではないのですが、抜群のスウィング感であることは間違いありません。駆け出しジャズピアニストが、ジャズ特有のスウィング感を身に付ける練習としてここでのアドリブをコピーすることが多いようです。
つまりはお手本のようなスウィング。

そして、音数の少ないMilesのソロが「普通」に聴こえることで、彼がいかに時代を先取りしていたのかといことを考えさせられます。
初志貫徹といいますか、40年代後半にCharles Parkerのバンドにいた頃のブルース演奏と全体的な雰囲気はあまり変わっていません。音色的な意味では、表情の付け方はものすごい進化をしていますが、やはり少なめの音数でたっぷり間を取り、重要な音だけ吹いている感じ。
皆がビ・バップ的な高速ソロを吹いていた時代にはMilesの演奏はものすごい浮いていたと思いますが、このアルバムのこの曲の空気感では「普通」に感じます。

5. Flamenco Sketches
Everybody Digs Bill Evans』の「Peace Piece」や、「Some Other Time」演奏時に使っていた伴奏パターンをここでも使っています。